« 投資銀行ってなんだろう?③ | トップページ

2008年10月27日 (月)

個vs組織

先日、久々にクラシックのコンサートに行ってきました

べつに音楽の素養があるわけではないのですが、会場まで歩いて行けるし、世界レベルのオーケストラのコンサートが学割のお陰で激安で聴くことができるので、音楽的な教養のない私でもたまに足を運びます。
僕は集中力がないので、素晴らしい演奏を前にしても色々なことを不必要に考えてしまいます。集中しようとすればするほど指揮者の動きが気になるし、前の人の薄毛が気になったりもしちゃいます。よーっし。それなら視覚の刺激を減らそう。ということで、目を閉じたら今度は脳が覚醒し、またもや音楽に集中できません。というわけで、その際考えたことを以下に。

普段はコンサートマスターをしている人の10周年ということで、バイオリニストである彼のソロがメインでした。オーケストラの一員としての彼の演奏とは大きく違い、今日はオーディエンスが思わず声を出してしまいそうなテクニックを惜しみなく披露し、情熱的そして個性的にソリストを演じていました。彼は10代の頃、国際チャイコフスキー・コンクールに入賞しソリストとしての人生がスタートしましたが、しだいに中堅のオーケストラとの演奏がメインとなり人気に翳りが出てきました。そこで、彼は、ソリストとしての道を諦めアメリカ三大オーケストラの一つに身を置く事を決心し今に至ります。そんな彼の演奏を聴きながら思い出したのは、彼のインタビューでの話です。「オーケストラは調和を大事にしますが、僕は調和の線を一歩踏み出して、少し自分の色を出します。それによって、僕らのオーケストラは特徴のある音楽を仕上げることができるのです。」

個が埋没してしまうことを恐れて大企業を辞めていく人をたくさん見てきました。組織はルールを作り、構成員をその枠で縛ることで、効率的に業務を遂行していきます。程度の差はあれ、どの国においても、組織が大きくなればその傾向が強くなります。組織の一員としては、そのルール内で行動していれば自然に評価されることから楽である反面、自分の存在意義を見出すことは難しくなり、途方も無い喪失感を覚えます。オーケストラはその象徴だと思っていました。音楽性を演出するのは指揮者であり、メンバーは忠実に演奏することが求められているのだと思っていました。しかしながら、世界的なレベルになると、それぞれの楽器演奏者の音楽観の組み合わせが、素晴らしい演奏を作り出しているのだと思えるようになりました。個々の音楽観を調整するのが、指揮者の役割なのかな!?

そのように考えると、大企業で働くことにも意義を見出すことはできるような気がします。大きな組織でしかで達成できないことは多くあります。そのような組織の中で、ルールのみ従うのではなく、自分の色を出しつつ個人では達成できない成果を生み出すことは、大変意義深いものだと考えられます。

派遣元の企業に戻るのも悪くないかなと思えたコンサートでした。

« 投資銀行ってなんだろう?③ | トップページ

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 個vs組織:

« 投資銀行ってなんだろう?③ | トップページ