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2008年10月23日 (木)

投資銀行ってなんだろう?①

サブプライム問題に端を発した金融不安により、新聞に「投資銀行」という単語が毎日のように出るようになりました。5月にはベアスターンズがJPモルガンチェースに買収され、9月にはリーマンブラザーズが倒産、そしてモルガンスタンレーは三菱UFJ銀行からの資本注入を受け入れました。

そもそも、投資銀行という意味は何なのですかね?投資銀行という言葉って、分かりそうで分からないですよね?「投資」と「銀行」、それぞれの意味は当然理解できますが、二つの単語を合わせると何だかよくわかりません。ネットで語源を調べてみたのですが、特に明確な答えは見つからず、英文でも探してみたのですがやはり結果は同じでした。

投資銀行の説明はだいたい一般的に以下のような説明になっているようです。

・米国のお話し。1930年代、いわゆる銀行は証券業務を行っていました。しかしながら、債権者という優位な立場を利用し、借手に対して株式や債券を強制的に販売する行為が問題視されていました。また、銀行は債権者ですから、借手の企業の情報を一般の人より入手し易い立場におり、それがインサイダー取引に繋がるケースも見られました。そこで、銀行業務と証券業務は本質的に利益相反に繋がってしまうのではないかということが言われ始め、グラス・スティーガル法により、銀行業務と証券業務は同じ会社が行ってはダメということになりました。(JPモルガンとモルガンスタンレーは元々同じ会社だったのですが、この法律により分離されてしまいました。)そして、証券業務を行う銀行を「投資銀行」と呼ぶようになりました。

では、投資銀行がどのような業務を行っているかというと、商社みたいな仲介がメインの仕事なんです。大きく分けると投資銀行のビジネスは二つに分かれます。

・お金を調達したい企業に株式や債券を発行してもらって、それをお金を運用したい投資家に買ってもらうビジネス。これがいわゆるプライマリー業務といわれるものです。このような業務をやってる部署は、IPOを支援する公開引受部、既に上場している会社の株式や債券の発行を手伝うキャピタルマーケット部(資本市場部)、そして不動産やその他の資産を証券化するストラクチャードファイナンス部などがあります。

・もうひとつのビジネスが、投資家と投資家を繋ぐ業務。いわゆるセカンダリー業務(またはセカンダリーマーケット業務)。既に発行された株式なり債券なりを投資銀行が仲介し、投資家同士が売買を行うというもの。エクイティセールスや債券営業、ディーラーやアナリストの業務はここに入ります。

「おい、ちょっと待って!投資銀行と言ったらM&Aではないか!それはどこに入るのじゃ!」という声が聞こえてきそうですが、僕が考えるにはM&Aは実は投資銀行業務のコアではないと思ってます。上記の二つの業務は、米国でも日本でも証券会社でなくては行えない業務なのですが、M&Aのアドバイザリーは誰でもできるんですね。実際、日本では会計系のコンサルティングファームのKPMGやプライスウォーター、そして独立系のGCAなども実績を残しています。では何で投資銀行がM&Aのメインプレーヤーであるかと言うと、二つあるのではないかと思ってます。

    企業の値段の計算(バリュエーション)は誰でもできますが、理論を超えた部分に関しては、常に株式市場と接している投資銀行に一日の長がある。また、株式や債券の発行つまりプライマリービジネスにおいて企業側と接点があり、ビジネスが行い易いこともあると思います。

    M&Aのアドバイザリーにつくと、二次的に他のビジネスも取り込めるため、投資銀行が戦略的に注力したといことも背景としてあると思います。例えば、A社がある会社を買収するとなったら資金調達が必要となりますよね?そうしたら、買収のアドバイザリーに加えて、資金調達の案件(プライマリービジネス)を取れちゃうわけです。

「ふむ。とりあえず、投資銀行が何をやってるか分かったよ。で、何が問題なの?」

それは次のエントリーで。

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